今回のインタビューは二重橋法律事務所の弁護士、根井真様です。
根井様にヴィスとの出会いの経緯や弁護士事務所という膨大な資料や文献を扱う独特な働き方をどのようにレイアウトしていき、どのように開設をしたのか伺って参りました。
【出会いについて】
Q:ご開設のきっかけはどういったものでしょうか?
根井氏(以下、敬称略):それまで別の法律事務所に所属しておりましたが、志同じくする仲間と一念発起で開設をいたしました。
Q:ヴィスとの出会いはどこからですか?
根井:以前ヴィスさんが手がけられた法律事務所があり、その知り合いの弁護士さんにご紹介していただきました。
Q:実際会った印象はどうでしたか?
根井:その弁護士さんからとても熱心にがんばってくれるよと聞いていまして、最初に会った時からその通りガッツがある感じでしたね。
多田(弊社PM):ガッツが通用するのは20代までだとは思うんですが、僕自身もご紹介だったので、(最初から)話が分かる感じがありました。
根井:こちらも共通の知り合いを通していたので、安心して気楽に接することができました。
Q:一番最初はどんなお話をしましたか?
根井:あのときは確かもうオフィス(物件)が決まっていたと思うので、概要についての話をいたしました。
最初にお会いしたのは2011年2月初旬くらいですね。競合の会社にも同じころお会いしております。
多田:前の事務所がすごく作りこまれていたので、これは新しいところもかなりデザインを施していくことになるであろうなという印象を受けました。
あと「紹介」ということもあって最初からざっくばらんに話ができ、具体的にどんな事務所を作りましょうかという話もしたような気がします。
根井:(手帳をめくりながら)会ったのは2月7日でプレゼンは2月25日でしたね。
多田さんがフライングで18日に来たんですよ! 非常に印象的でした、多田さんのフライング(笑)。

Q:フライングってアポは世の中にあるの(笑)?
多田:ないですね、普通は(笑)。
根井:プレゼンをしていただくことにして2週間くらいの時間を取ってプレゼンをお願いしたんです。
普通は2週間後にプレゼンということになれば、前のミーティングで聞いたことを2週間後に当然出しますよね。それを、1週間前に「ちょっと仮の案を作ったので、ご要望に合わない変なものを出してもかえってご迷惑かけちゃうと思うので、ちょっと見ていただけますか」と半ば押しかけ同然で多田さんがやってきました(笑)。最初は、え?と思ったのですが、まあ確かにそれはそうだよねと思いました。
我々としては、正直その時点ではどの会社さんというこだわりはなかったですし、いい提案ができるのであれば今の段階でお話を聞いて、より完成度の高いものを作っていただければそれは我々にとってもプラスなので。
しかしガッツあるなと思いました。本当にありがたかったです。そのフライングは我々にとっては非常にポイントが高かったですよ。
多田:プレゼンで的外れなものを持っていってもお互い無駄な時間になってしまうし、自分たちが作り上げていく上での確認作業ですね。あとはパッション的な部分のアピールです。
根井:それは僕も元営業マンなんで分かりますよ。家を売ってましたんで、三スケも常に持ち歩いてましたよ。
(編集部注:三角スケールの略。図面などで縮尺を測るために使います。)
多田:フライングでお持ちしたのはデザイン案ではなくて平面図のレイアウトだけでしたよね確か。
根井:ゾーニングの話とか働き方の部分の話ですよね。
どうしても個人のブースを作ることになるので、そこから出る弊害といいますか、それを踏まえてコミュニケーションを上手く取れる環境にするにはどうしたらいいかという感じの話をフライングで打ち合わせをしました(笑)。

Q:そのプランでイメージは湧きましたか?
根井:実際に仕事をしているところが想像できました。
例えば、裁判所に提出する資料がすごく膨大になることがあります。
その場合、スタッフが作業することになるのですが、業務効率を考えるとコピー機の近くにテーブルがあったほうがいいとか、ちょっとしたミーティングスペースがあったほうがいいとか。そういった細かいニーズは図面を見て初めて気づけたので、我々もよりイメージはつかめました。
それがあったので我々もよりつっこんだお願いができて、よりニーズにあった提案をしていただけたのではと思っています。
社内で意見を聞くというよりほとんど私が任されていたのでその場で要望をいろいろお話しました。
多田:1回目に会っただけでは聞けてない部分が2回目でしっかり落としこみができたのでよかったです。
法律事務所ならではのデザインであったり、基本の寸法より広めに作っていこうといったことです。
根井:あと我々は資料や文献の量がものすごく多いのが特徴です。
各自が自分の専門分野の資料をデスクの近くに置きたいという要望があったので、書類の収納量が気になっていました。
前のオフィスよりどのくらい広くなるのかイメージが湧きませんでした。
そのときに何ファイルメーターというかたちで前の事務所の容量も測って、どのくらい広くなるかをご提案頂いたことは本当にニーズに応えていただいたなと思っています。
思ってもいなかったんですがフライングがあったからこそ、そういったニーズに対応していただけたんだなと思います。
多田:ただレイアウトに関して、プレゼンの際のインパクトはほぼゼロっていうリスクはありましたよ(笑)。
前に見た見たっていう感じでしたね。

【コンペについて】
Q:コンペをされてどういう印象を持ちましたか?
根井:4社に出していただいて、社内でミーティングをしたところ同数で完全に2社に分かれたんです。
「しまった!我々社員数が偶数だった」となってしまって(笑)。
最終的にうちの代表がエントランスの写真を見て「これかっこいいよね、これにしちゃう?」と言って決まりました。
やはりエントランスは事務所の顔ですから大事なポイントだと思います。
我々がお願いしたときに、若いけれど重厚感もあって、ちょっと格式が高いとか高級感も感じられてさらに迫力があるという、ものすごく抽象的なイメージだったんですが、そういうテイストでお願いをしていて、ヴィスさんのプレゼンがピタッとはまりました。
多田:とがっている感じを出したかったんです。
ここの先生たちは新しいことができる人たちで、それでいて今までの仕事もしっかりできて、そのうえでさらに革新的なこともできるんだという感じをイメージしました。
根井:かっこいいなって思いましたよプレゼンを見て。
もう1社さんもよかったんですけど、そちらは高級感とか品の良さよか。みんな悩んじゃったんですよ、どちらもよかったので。こっちにしちゃう?という最後はノリでした。
多田さんと母ヶ野さん(弊社担当設計)のプレゼンは我々にすごく響いたものがありました。
勢いとか力強さだったり、あとはかゆい所に手が届くような感じもあったので、だからこそ悩んでしまいました。
多田:プレゼンの際はうちの金谷(弊社取締役)と母ヶ野と三人で終わった後に場の雰囲気の盛り上がりも含めて会心のプレゼンでウケはとれたぞ! と大満足だったんですよ。これを落としたら数日立ち直れないぞっていう感じでした。なんというか一体感みたいなものがありました。
実際にはサイコロが転がったような決まり方ですけど。
根井:あれ、同数だって途中で伝えましたっけ?
多田:確か終わった後で聞きました。
結果のお電話をいただいたときにそのお話を少し聞きました。先生たぶん電話の話し始めは断り口調だったんですよ(笑)。
もう腰が抜けましたよ。
根井:ちょっと冗談がきつかったですかね(笑)。まあでも甲乙つけがたかったので判定勝ちですね。
【現場について】
Q:途中段階の現場はご覧いただきましたか?
根井:あんまり見ていないです。時期的にも途方もなく忙しかったので。
現場はお任せしていました。ただ着工まではいろいろばたつきましたが(笑)
いろいろご迷惑をお掛けしました。
ギリギリになって備品の発注をしたりしましたよね。デスクだったり会議テーブルやホワイトボードなど。
デザイン面に関しては多田さんと母ヶ野さんの提案が常にすごくいいなあと思えるものでした。
使い勝手もデザインの面でも。かっこよかったんですよ。
純粋にセンスがよくて、素人が口出ししても仕方がないので全てお任せしようと思いました。
それはいい加減なつもりではなくて、プロに任せたほうがいいなと感じたからです。

例えば壁の色をどのようにしましょうか、と多田さんがサンプルを持ってきてくれたんですが、母ヶ野さんはどの色がいいと言ってますか?と聞いて、「この色がいい」と言ってました、「じゃその色にしてください」という感じで、完全に母ヶ野さんを信頼して、のびのびとやってくださいと言っていました。
働く上で使い勝手の要望はいろいろお伝えしましたが、デザイン面のことは本当にお任せでした。
例えばファイルの高さがどのくらいであったり棚の上で本が読めたり棚越しに立ち話的なミーティングができたりとか、座った時の囲まれ具合はこちらからオーダーしました。
【開設後】
Q:業務開始されてからの反応はどうですか?
根井:やっぱり気持ちいいですよ。働きやすい環境ですし、働いているみんなも誇らしいと思っています。
かっこいいですし人に見せたいと本当に思います。よく初めて来たお客様には中まで見せちゃってるんですよ。
こんな感じで仕事をやってますとヴィスさんの宣伝に努めてます。
多少誇張がありましたかね(笑)?
多田:打ち合わせ兼本棚で立ち話をしてほしいと狙って作ったところで、お話をしている姿を見てやっぱりうれしかったですね。
根井:使う頻度は多いですよ。弁護士同士で相談しなから案件を進めていくことも多いので、そのときに手持ちの資料を広げたりすることも多いので、非常に使い勝手がいいですね。
【今後について】
Q:今後移転を予定されている方々にアドバイスなどはありますか?
根井:一度プロに任せちゃうというのは本当にいいなと思います。
素人が口を出してもぐちゃぐちゃになるだけなので、ある程度信頼関係が出来上がっていれば任せちゃったほうがいいと思います。
Q:逆に何かこうしておけばよかったことなどはありますか?
根井:それが思い当たらないんですよ。特にこうしておけばっていう後悔はないですね。
Q:それは何か理由がありますか?
多田:いろいろな理由があると思いますが、毎週定例会をしていたことが大きいのではないでしょうか。
根井:それはありますね。毎週定例会をやっていたからうまくいったかなと思います。
そこで懸案事項や不安に思っている部分を解決できましたし。毎週会う機会があるので無駄がないし非常に安心感がありました。
あとは出来上がってからもこまめにフォローしてくださったことも非常にありがたく思っています。
今でもいろいろなことでお世話になっています。本当にありがとうございました。
取材後記:
堅い印象のある法律事務所ですが、終始笑いの絶えないインタビューになりました。
根井先生の人柄や事務所内の雰囲気が非常に明るく、イメージしていた法律事務所とは違い、何でも相談できるような空気に包まれておりました。
こうしておけばよかったと思うことはなかったと根井先生はお話しいただきました。
移転や開設までの時間を十分に取ることは非常に大切なことですが、それよりも聞きたいことを持ち越さずに聞いていき、お互いの小さい認識のズレも逃さないことが不安要素を取り除ける唯一の方法であったと双方の話を聞いていて感じました。
